ズボラな筆者が普段ウォーターライン等の艦船模型制作でやっている、できるだけ簡単にキットを組み上げる方法をご紹介。
面倒事は全部省略!敷居を下げてとにかく形にする!
艦船模型って拘りはじめると、アレコレ手を入れたくなっていつまでも完成しなくなっちゃいますよね。そして気がつくと積みプラの山が・・・。そこで筆者は素組み・最低限の塗装でできるだけ敷居を下げてサクッと半日くらいで形にするようにしています。
心がけているのは次の3つ
- 表面処理はしない!ヒケも古いキットの味のうち。
- エアブラシは使わない!片付けが面倒で億劫になっちゃうから。
- 接着剤や塗装が少々はみ出ても気にしない!沢山作って慣れていく。
筆者はそんな感じでとにかく素組みで組み立てて完成させて、後で物足りなくなった時に張り線やエッチングを追加しています。
それでは早速、アオシマ製ウォーターラインNo.469駆逐艦不知火を例に手順を紹介します。
Ch.0 道具
切り出し組み立てツール
パーツの切り出しと組立に使っている道具です。最低限の場合、左の3つ、ニッパー・ピンセット・アートナイフだけです。
ニッパーは元々ガンプラ用に使っていたアルティメットニッパーが、艦船模型の極小パーツを壊さずに切り離すのに重宝しています。他のニッパーが使えないってくらいに愛用してます。
ピンセットは必需品です!一番最初に一隻造ったとき、筆者はピンセットを用意しておらず、細かいパーツ設置に少々難儀しました。先端が細くて持ちやすいものであれば何でも大丈夫だと思います。
右のニードルは接着剤や塗料を細かく塗りたい時に筆代わりに使っています。ピンバイスはまれに開口指示があるキットの場合や、機銃などのパーツを接着する時の目印を打つのに0.3mm前後のものを使っています。
紙やすりスティックはほぼ使いません。ゲート跡や合わせがどうしても気になるときだけヤスっています。
接着剤
特によく使っているのは白瓶のタミヤセメント。ほぼ全体をこれで済ませています。次点で、機銃やボートなど細かい箇所にゼリー状瞬間接着剤です。
位置を仮止めしたいときなど、すぐに固まってほしいときには速乾タイプの瞬間接着剤、パーツの合わせがシビアで、それでいて強度がほしい箇所には流し込みタイプのプラセメントを使っています。
タミヤセメントは付属の刷毛がちょっと太いので、刷毛だけ互換の極細のものに変えるといい感じです。
塗装ツール
極細面相筆、アクリルガッシュ、軍艦色・艦底色スプレー。
駆逐艦のような小艦艇では、全体をスプレーした後に、リノリウムなどをアクリルガッシュで筆塗りしています。理由は、マスキングが面倒くさいから!基本マスキングしません!
Ch.1 ランナーのままスプレー塗装
開封したらランナーから切り離さないまま、全体に軍艦色スプレー、艦底パーツのみ艦底色スプレーをぶっかけます。ランナーのまま塗装する理由は、切り出してしまうと筆者すぐ小さなパーツを無くしてしまうので、無くさないように接着直前までランナーについたままにしておきたいためです。
このとき余裕があれば、パーツとつながっているゲートが一本だけになるよう部分的にゲートを切っておくと、後でレタッチする箇所を少なく出来ます。ただしマストなど折れやすいものは無理せずそのままのほうが無難でしょう。
Ch.2 リノリウムを筆塗り
スプレーが乾いたら、甲板のリノリウム部分にアクリルガッシュを面相筆で塗っていきます。今回は、バーントアンバーを使いました。アクリルガッシュは乾燥が早く隠蔽力が高いので、ほんの数滴水で溶いて、2度塗りくらいでフラットな状態になると思います。
リノリウム箇所は箱絵・説明書の彩色指示を読みますが、大抵の場合、等間隔に横向きのモールド(リノリウム抑えの金具)が入っている範囲がリノリウム色で塗る部分です。
Ch.3 組み立て
大まかには説明書通り、もしくは大きなパーツから順に組み立てて、最後に機銃やボートダビットなどの艤装をつける手順で組み立てます。
まず艦橋や煙突の大きい構造物を接着。
次に主砲や魚雷管・マスト・銃座などの大きな艤装を接着。(写真は同型艦の秋雲)
最後に機銃や艦載艇など細かい部品を接着して組み立て完了。艦載艇は接着してから塗装しづらい時は先に塗ってます。(写真はCh.4のレタッチ済み)
Ch.4 レタッチ、煙突、キャンバス、ボートの塗装 完成!
組み立てが終わったら、ゲート跡で軍艦色スプレーがかかっていない部分を、レタッチします。スプレーをパレットなどに吹きかけて、筆で拾って塗っていくのが手っ取り早いです。
最後に煙突、主砲のキャンバス部分、艦載カッターなどをアクリルガッシュで筆塗りします。今回は、煙突をジェットブラック、主砲キャンバス・内火艇のシートをニュートラルグレー7、カッターをグレイッシュベージュで塗ってみました。
完成です!
艦艇模型はキットの造形が細かいので、これだけでも十分立派に見えるのが楽しいですね。
ここから先は、気分次第で空中線を張ったり、ウェザリングして重厚感を出したり、エッチングパーツを使って精密にしてみたり。一度完成させた後から追加するのも楽しいです。
以上!